変人教授の異常な行動:20年の記録

              頭巾教授が誰かを探るのは個人の自由ですが、コメントへの氏名書き込みは答えの正否に拘わらず削除します。                                                                                                      

26.金髪の白人女性

実際の出来事を各種架空名称に置き換えて一応時系列で進めて行きます途中から読む人は内容が判らないと思いますので、出来ればトップページへ移動 して最初からお読み頂くことをお勧め致します。
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 研究者同士が交流するSNSが存在しているのだが、そのSNSで頭巾主催のオフ会をやろうと言う話になった時の事だ。

 何か粗品程度の物でしかないが、各地から遣って来る参加者にお土産を渡そうと企画して、私がそれを用意することになったのだ・・・ヤクシマダカラと言うやや大き目のタカラガイの表面に絵画を印刷した紙を貼り、透明な樹脂で固めた細工物だが、その細工物に選んだ絵画に対して頭巾の不可解な注文が来たのだ。

 絵は白人の女児が金魚鉢を覗き込んでいる図柄だったのだが、頭巾はその子供の頭髪を金髪にしろと言って来たのだ・・・最初から金髪なのに頭巾はいや、此れは金髪じゃない!黒い部分があると言って聞かず、影になっている部分も金色にして欲しいと言うわけだ。

 しかし影になって暗くなっている部分を明るくすれば、頭の部分だけが平らな板の様になって仕舞うと断るも、頭巾は全然理解してくれなかったのだ。
 私を困らせようと1)意地悪を言ってるのかと疑った程なのだが、此れが頭巾の通常の感覚なのだと知った時は、この人は一寸可笑しなところがあるのかな?と思った。

 何とか判って貰おうと、画像ソフトを使って不自然な絵を頭巾に見せると、不自然であろうが無かろうが頭巾には関係無く「此れでいい」と満足そうにしていたが、そんな変な物を用意するわけにも行かないので、私は頭巾を無視して原画通りの物で細工物を用意したのだ。

 

 何故か頭巾は金髪女性に惹かれている様で、テレビでも研究所への来所者でも白人女性の姿が見えると「金髪。金髪」と喜んでいた。

 まだ頭巾と知り合って日が浅かった頃は、私はその反応を見て、どう返事を返せばいいのか戸惑ったものだ。

 

 しかし地域の人達との交流の場が有った時に頭巾が私は若い頃から金髪の外人さんと結婚するのが夢だったと語ったのだ。
 私は〝なるほど。金髪の白人女性への不自然な執着はそう言う事だったのか〟と理解したと同時に〝アンタその身長で、どうやって長身の白人女性と結婚出来ると思っていたんだ〟と半ば呆れもした。

 金髪白人女性への不自然な執着と書きはしたが、欧米人・日本人に関係無く、頭巾は女性が居ると必要以上に自分を良く見せようとしたりする事は多かった。

 既に前章で記したが、実験所へ学生達が実習に来るなどと言った時はニコニコしながら今日は女の子が多いんですよと言って、鏡の前でヘロヘロの髪を櫛で撫で付けては1人で頷いていたりする姿は良く見掛けた。

 

 そして頭巾は〝人生〟や〝夢〟を語る事が格好良い事だと思っていた節も有る。
 実習に訪れた学生達にもよく「人生云々」だとか「あなた方の夢を教えて下さい」とも言っていたのは良いが、その言葉が私にも向かう事があり、学生を前にして「古黍さんも皆さんに人生についてや自分の夢を語ってあげて下さい」などと言い出すのだ・・・私自身は自分が人生なんて事を語れる程完成した人間だとは思っていないし、また夢と言う言葉も嫌いな言葉の筆頭だ。
 まさか若い人達相手に「夢は寝てみる物。日中夢なんかに浸っていないで現実を見る様に」とも言えないので、脳を白昼夢に支配されている頭巾の此のリクエストは実に困ったものだった。

 しかも「私には其の話を振るな」と何度頭巾に言っても無駄だった。

 

1) 頭巾は誰かが困った状況に追い込まれたりいたりすると、喜ぶのだ。
    また脛をぶつけて痛っている人がいた時も心配するのではなく、愉快そうな顔をして「ウォッホッホッ」 
    と笑っていて、傍で見ていて〝その対応は無いだろ〟と言う
様な事もあったので、異常な性格の中に意
       地悪な面も併せ持っていたのだろう。