実際の出来事を各種架空名称に置き換えて一応時系列で進めて行きます/途中から読む人は内容が判らないと思いますので、出来ればトップページへ移動 して最初からお読み頂くことをお勧め致します。
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もう新研究所設立準備の末期状態だった頃の話だが、或る日頭巾が「頭に油を付けて来ただろう!? 私は臭いに敏感なんだ!」と因縁を付けてきた事が有った。
勿論私は整髪料など使っておらず、言い掛かりもいい処だったのだ。
まだ幾許かでも信用している部分も残っていたが、私はこんな因縁を付けて来る様な奴を99%信じなくなった。
それでも新研究所のスタートには扱ぎ付けなくてはならない。
その後最後の1%に掛けて、頭巾の目を覚まさせる1)例の計画を実行したのだが・・・
頭巾の大学在職時代のサイトには自身を評価して〝人は他人に信じて貰わなければ生きていけない。信じる者は救われる〟などと書かれてあったのだ・・・此れは何かの悪い冗談なのか?
息をする様に嘘を吐き、自分の好きな様にしたいと思ったら近しい人にさえ煮え湯を飲ませる。
こんな男をどうして信じる事が出来ようか。
〝自分さえ良ければ他人はどうなっても知ったこっちゃない〟と言う様な人物は一定数存在しているものだが、それでも自分の友人知人に害が及ぶ場合はほぼ例外なく自身の欲を押え様としている・・・しかし頭巾の場合は自分を抑える事が出来ず、欲得の為に必要なら敵対者であろうが味方であろうが、友人知人であろうが平然と陥れる事が出来る精神構造の持ち主・・・正に八難六奇の謀略不可思議の者、友をも喰らう人物だったのだ。
私が生きて来た数十年の中で頭巾以上に邪悪な人物は居ないだろう。
( 実際にはもう一人存在しており、最近まではその人物が一位だったのだが、現在では同率一位だ )
善悪の区別が出来ない様子はまるで幼児の様に見え、その反面非常に狡猾だと言う不思議な人物だが、滅多にお目に掛れない希少種に出遭えても、こんな希少種では有り難くはない。
新研究所の構想が出始めた頃、頭巾が私に「お金持ちの知り合いがこの計画に3億出してくれる約束をしてくれている」と言っていた事があった。
暫らくすると「その人に30万貸したら返してくれない」と、馬鹿な事を言い出したが、億単位の金が出せる人が30万円を貸してくれなどと言うわけが無いじゃないか・・・しかも借用書すら取っていないと言うのだ。
その頃は私も〝頭の中が平和な頭巾だから そう言う事もあり得る〟と思って「悪い奴と言うのは善人を装って近付いて来る」と注意したのだが( 59章に記したのと同じで此れを愉快な冗談だと思った様だ )頭巾は「あの人は悪い人ではない。とても親切な人で、今も時々会っている」と言うので「それなら次回会った時に必ず借用書を書かせて、何ならボイスレコーダーを用意して遣り取りを記録しておく事」と言ったのだが、結局頭巾はそう言う事は最後の最後までしなかった様だ。
しかし悪人は善人の顔で行動すると言うのは、頭巾そのものに対して言える事だった。
奴には「誰某に騙された。彼其れの詐欺に引っ掛かって損をした。物を貸したら返してくれなかった」と言う話しが多過ぎたし、今ではこの話し自体が作話ではないかと思う。
私が作話を疑い出したのは頭巾の証言が二転三転し始めたからで、件の人物が会社経営の大金持ちだったり、宗教法人だったり日によって変わり出したからからだ・・・架空の人物なのかも知れないし、或いは自分の思い通りにならないとなって頭巾に悪者扱いされた被害者かも知れない・・・特に後者は大いに有り得る気がするのだが、この様な事が何度あった事か。
1) 「その計画では、古黍さんは伏山氏の鉄砲玉だったんじゃないのか」との指摘もあった。