実際の出来事を各種架空名称に置き換えて一応時系列で進めて行きます／途中から読む人は内容が判らないと思いますので、出来ればトップページへ移動 して最初からお読み頂くことをお勧め致します。
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前章の〝注１〟で頭巾の食事マナーは犬以下と書いたが、内心頭巾との会食は出来れば遠慮したいと思うのがいつもの事で、その様な話を1)下源さんとした事がある。
新研究所準備中の或る日、皆で昼食に出掛けた時の事を下源さんは話されていたが （ 私は気付かなかったのだが ）レストランで頭巾が使い捨てのウエット紙ナプキンを鷲掴みにして持ち出したと言うのだ。
一人一包が原則、まぁ手が酷く汚れても二つも取れば充分だろう物を、ガサッと大量に取ってポケットに押し込んだのだそうだ・・・店を出た後下源さんに頭巾は其の事を指摘されると「皆が使える様にと思って、全員の分を取った」と言って平然としていたそうだが、一緒にテーブルに着いた人に紙ナプキンを配った事実は無いし、4人分あれば良いものを一体何人分取ったのかと言う程の量をせしめて来たわけだ。
しかも頭巾はそうやって持ち帰った物は何であれ、使う事なく仕舞い込んでラボのゴミの山に堆積させる事しかしない。
別件で私が気付いていた例は2)近隣の土産物店での事、其処には試食品が沢山並んでいたのだが、頭巾は頻繁に訪れてはいつも腹一杯になるまで貪り食うのだ・・・みっともなくて傍に居れない程なのだ。
私も何度か注意したのだが、頭巾は「何言ってんですか？ 食べる為に置いて有るんじゃないですか！」と言って、試食品の入っている容器に手を突っ込むのをやめようとはしなかった （ しかも時折り屈み込んで、ゴム草履の隙間から足の指をポリポリ掻いて、再びその手を試食品容器に突っ込むのだ ）
浅ましい事この上ないが、いったいどんな育ち方をしたのか？ 資産家の息子であればマナー等の躾けは厳しくされるだろうと思うのだが。
頭巾との会食で良く使われたのが此の地域に数件有るビュフェ形式の店だが、そこでも頭巾は物凄い食事風景を披露するのだ。
一枚の大皿にあらゆる種類の食べ物を3）山盛りにして、その上からドバドバとドレッシングを掛けるのだ。
そして両手を振り回しながら寒風吹きすさぶオヤジギャグを連発し、犬でももっと綺麗な食べ方をするだろうと思う様な醜態を演ずる。
また両手で4）カニの様に交互に口に運ぶかと思えば、片腕をテーブルの下にだらしなく下げたままにして食べたり、隣の人に「そんなの取って来たの？」などと言いながら 皿の真上にまで領空侵犯して、短い指を指してくるのだが、一人置いて向こう側にいる人にでさえ同じ事をする・・・目の前を頭巾の短い腕に通過された人は不快にしか思わないだろう。
挙句「私はミカンが大好きだ」と言って〝それ一人で食べるのか？〟と思う程のミカンを取ってくると、口の中でグチャグチャ噛んで、噛み滓を口から出して皿の上に山の様に盛り上げるのだ。
そんな汚いものを見せられながらの〝優雅な食事〟に、私はうんざりしていた。
盛大な音を立てて洟をかみ、そのチリ紙を皿の上に置くなどと言う事も毎回平気でやってのける。
もしも私が頭巾の親だったら、座っている椅子諸共張り倒している処だ。
若干マシな食べ方をしている時でさえ目に余る食事風景なのだ。
しかし今はもう頭巾との会食をする必要は無くなっているので、その点では気が楽だ。
頭巾は誇らしげに「私は怒られた事がない」とよく語っていたが、その結果が此れなのだろうし、その他諸々の常人には理解し難い行動をする事が当たり前、と思っている人物形成に繋がったのだろう。
1) 新研究所の立ち上げに関わった高校教師（女性）で、研究所での講師に着任予定、また県内の各校や教育
委員会とのパイプ役も務める予定で早期退職されていた。
2) 外部からの研究者来所があると、頭巾はよく其の店を案内していた。
3) どの様な味付けにして食べようが個人の自由なので私がその事に立ち入る権言など無いのだが、一緒に
食事をするに当たって、余りにも見た目に汚い方法を執るので、ここに記した次第だ。
4) 〝両手に食べ物を持つ〟〝或いは右手に箸、左手にフォーク〟と言うのはカニが餌を食べている様子に似
ている。
