実際の出来事を各種架空名称に置き換えて一応時系列で進めて行きます/途中から読む人は内容が判らないと思いますので、出来ればトップページへ移動 して最初からお読み頂くことをお勧め致します。
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「研究者は変人くらいが丁度良い」などと言う人も居る様だが、私はそうは思わない。
確かに研究に関しては〝従来の従来の常識〟に捕らわれ過ぎると何も新しい物は出て来ないのも事実だが、研究を離れた日常で周りへの悪影響も何も考えずに変人ぶりを発揮する事が良いとは言えないからだ。
とある天才が「石ころは生命体だ」と主張したと言う話があるが、彼は只の阿呆でしかないのだ・・・本当の天才だったら、大多数の人に何故石ころが生命体なのかを理詰めで説明出来るはずなのだが、彼は「石ころは生命体」と言う言葉だけを押し通そうとする他能が無かったからで、此れ即ち変人と言うわけだ。
頭巾には変人的空想も多く、日常の研究をまるでスパイ映画の様な話にしてしまう事も好んでいた様で、新しい発見や成果の発表に対して「秘密にしておかないと消される。発表後に殺された人も多い」などと真顔で言うのだから、相手にしている方が疲れると言うものだ。
新種の記載をしたら何処かの国の工作員に射殺されるのかと可笑しくなる。
そう言えば71章の終盤に記してある話は、丘畑さんの事ではなく頭巾自身の事なんじゃないのかと疑いたくなると言うものだ。
自分の努力を無にされるんじゃないかと言う強迫観念でもあったのだろうか・・・その反動で周囲の人の苦労を無にする様な事を好んだのだろうか。
死滅しそうなアイボウズのコロニーの状態にうろたえた頭巾から、それを回復させる様にと言う依頼があり、何とか当該コロニーの救助は完了させたのに頭巾は「もういいや!」と言うと、ヘラでそのコロニーを削ぎ取ってしまった事がある。
何事にも性急でパニックに至り易い性格だったわけだが、救助を担当した私の身にもなって欲しい処だ。
頭巾には周囲の努力を意図的に潰そうとしているのか?と疑いたくなる成る様な行動が多かった。
新研究所立ち上げには、資金調達の段階で頭巾自身が理解し難い妨害工作を行う事が有った・・・協力者が方々駆けずり回って貰って来た資金提供の話しを頭巾の一存で御破算にしてしまう事もあったのだが、資金提供側からの制限が気に喰わなかったのだろうか・・・勿論研究活動の専門家でもない人から、研究の妨げになる様な制限が掛れば面白くないのは誰でも同じ事だろう。
しかし頭巾の場合は歌って踊ってお祭り騒ぎをして、御追従者からの喝采を得ることにお金を使いたがっていたのは今や明白な事実なので、最初から制限云々と言う支援者には警戒心を抱いていたのだろう。
何事も( 正しかろうが正しく無かろうが )自分の思い通りに行かねば許せず、度々癇の虫を起していたが、その中には勘違いからの怒りも多々あった。
頭巾は自身の早合点や勘違いに端を発して突発的に破裂したかの様に怒り出す事が多々有り、しかも其の様になって仕舞うと絶対に自身の1)非を認めようとはせず〝徹頭徹尾相手が悪い〟で押し通してしまうのだ・・・一部の人は、頭巾が臓躁野郎なのは脳梗塞を患った後遺症だろうと考えていた。
確かに脳に障害を負った後に性格が変って仕舞うと言う例は有り、とりわけ有名な例だとロボトミーの術後に起こる変化が世間一般の間でも知られている。
しかし頭巾の短気な特性は脳梗塞を患う以前から極普通に見られたものであって、病のせいには出来ないのではないだろうか。
頭巾に対しては知り合った初期の頃から不愉快な事も多かったが、私は周囲の人達まで巻き込んで嫌な思いをさせてはいけないと思って、頭巾の不快な行動言動に対して何食わぬ顔をして遣り過ごしたり、頭巾に調子を合わせたりして来、恐らくは誰にも気づかれず巧く行っていたと思っている。
1) 元々どんなに非が有る事が明らかでも、認めたら此の世終わりとでも思っているのか「私が悪かった」と
言う素振りさえ見せない性格だった。