変人教授の異常な行動:20年の記録

              頭巾教授が誰かを探るのは個人の自由ですが、コメントへの氏名書き込みは答えの正否に拘わらず削除します。                                                                                                      

13.どんな物でも買い与える親

実際の出来事を各種架空名称に置き換えて一応時系列で進めて行きます途中から読む人は内容が判らないと思いますので、出来ればトップページへ移動 して最初からお読み頂くことをお勧め致します。
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 人の性格等はどの様にして作られて行くのだろうか・・・育ての親の影響・幼少期の友達の影響・義務教育中の教師からの教え等、育った環境に拠るものだと言う人は多い。

 私は心理学には疎いので答えを理論付けて説明するなど不可能なのだが 一部例外も存在するのだろうが 世間一般と同意見だと記しておこう。

 

 さて、頭巾は私の家族と会う機会があったが、私は頭巾の親兄弟とは一度も会う事はなかった。

 今になって思えばよくこんな邪悪な人格に育て上げたなと言う感想を奴の親に持っているが、子が邪悪だとて親も同じだとは限らない。

 只、頭巾の親に対して思うのはあんた達、子育て大失敗したなと言う事だ。

 最初にその事に気付いたのは、頭巾が大学入学祝いに新車のハコスカGTRを買って貰ったと言う思い出話しからだ。
 その話を聞いた時、私は親が我が子の誕生日に本を買い与えるのとはわけが違うと非常に驚き、車なんて自分で働いて買うもんだろ! と勿論敬語ではある 言ったのだが、頭巾は必用な物だからと返事をし、更に祖父からは研究用の高性能顕微鏡と岩波生物学辞典を買って貰ったと続けたのだ。

 後に多くの人から聞いた話では、頭巾は資産家の子息で何不自由無く育ったと言うのだ。

 それ以外にも頭巾自身からも、他の人々からも聞いた話だが幼少期からあれが欲しい此れが欲しいと欲しい物の名前を言うと、次の日には手元に欲しがった物が有ると言う生活をしていたと言うのだ。

 しかし〝何不自由無く〟〝好き放題して、欲しい物は何でも即買い与えられる〟は全然違うだろと言うのが私の考えだ。

 欲しい物があれば買って貰えばいいと頭巾はよく言っていたが、昭和の世間一般の家庭ではあれ買っての台詞は欲しい物を貰えるかわりに拳骨を貰うのがオチだ。

 頭巾は私より十年歳嵩なので、その頃の世間一般の親は更に厳しかったはずなのだが、何でもすぐ買い与えると言う育て方をしたから、社会に出た後に思い通りには行かない時や欲しい物が物質的なものに限らず あれば穢い方法を使ってでも手に入れようとする性格が形成されたのだろうか?

 

 話をハコスカGTR戻そう・・・私は乗った事は無いのだが、深く重いクラッチストロークの長いシフトレバー・ラフなアクセルワークですぐカブル点火プラグ・等々、扱い難い車の代表格のはずで、目を覆いたくなる程運転がヘタクソな頭巾に扱える代物じゃないはずだ。

 頻繁に接触事故を起こしてべコベコボコボコになっている頭巾の車を知っている私は、奴がGTRに手を焼いたのではないかと思っていたが、その後頭巾の話や色々な証拠が出て来ると、奴の買って貰った車はPGC-10ではなくGC-10ATだと言う事が判明した。

学生時代の頭巾は長髪だった写真を見ると
 とは言え新車のスカG最上級グレードを気軽に買える人などそんなに居る時代でもないのに、頭巾の親は学生の息子にそんな高額な物を買い与えているのだ・・・頭巾が免許取得費を親に出して貰おうが、スカイラインを買って貰えようがロールスロイスを買い与えられようが、私にしてみれば何の利害も無いのだが、この事も奴の人格形成に影響した内の一出来事ではないかと思っている。

 そう言えば頭巾は私は人生の中で怒られた事は自動車教習所でだけだ。それ以外は怒られた事など一度も無いと誇っていたが、この話も運転の下手糞さを示しているのだろう・・・教習は延長の繰り返しで、教習所からもう諦めてはどうかとまで言われたそうだ。

 また親からも一度も怒られたことがないのは自分が優秀だったからだと思っている様だが、私は極端に甘やかされていただけだろうと疑っているし、恐らく小中高の教師は頭巾の余りの特殊性に叱る事が出来なかったのだろうとも想像出来る。

 裕福な親が息子が欲しがるものは何でも買い与え、甘やかし放題した結果が此れなのだろう。

 頭巾を知る人の中には頭巾は裕福な親から博士号も買って貰ったと嫌味を言う人までいたのだが、もしも頭巾家が一般的な収入のサラリーマン家庭の息子なら、こんな悪口も出て来なかっただろう。

 

蛇足だが、頭巾が頭の中で作り上げた〝事実〟を記してこの章を終えようと思うが、その事が後々私に悪影響を及ぼすからだ。

 或る頃から古黍さんは別荘を持っていて、フェラーリとベンツに乗っている・・・こんな事を頭巾が会う人会う人に言い出したのだ。

 いったい何所からフェラーリなどと言うものが出て来たのか理解出来そうにない、と言うか頭巾の不思議がいっぱい詰まった精神世界の産物なのだろう。

 当時はムキになる様な事でもないと思ったので、私はそんな車も別荘も持ってませんよとだけ言っていたのだが、頭巾の方は 私がその場に居ようが居まいが 会う人毎に古黍さんは別荘を持っていて、フェラーリとベンツに乗っていると触れ回っていたのだ。

 まぁ私が車好きだと言ってもベンツにはそんなに興味が無いし、フェラーリランボルギーニと言った自動車会社にも多くの車種が存在しているので、その中の僅かなヴィンテージ物の一部が格好良いと思っている程度だし、頭巾相手にフェラーリ云々と言った話等一言もした事が無い・・・それが何故突然フェラーリオーナーにされたのか理解不能だが、頭巾にとっては親に頼めば買って貰えるだろうと言う認識だったのだろう・・・要するにどこの家庭も自分と同じだと思っているのは間違いない。

 後半の章でも話を出すがお父さんに買って貰えばいいと言う台詞は頭巾の口から度々出て来るのだ。