実際の出来事を各種架空名称に置き換えて一応時系列で進めて行きます/途中から読む人は内容が判らないと思いますので、出来ればトップページへ移動 して最初からお読み頂くことをお勧め致します。
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頭巾は時折私の自宅に来る事があったが、私の家の玄関脇にはサンゴシトウが植わっており、初夏には赤い花を咲かせる。
頭巾は赤色に思い入れが有る為、この花が御気に召した様で「私の所にも此の木が欲しい」と言い出したのだ。
「そうですか、気に入りましたか」で話を終りにすれば何事も起らなかったのだろうが、剪定した枝を挿し木にした物が手元に有ったので「苗木が有るのであげますよ」と言ったのだった。
頭巾は大喜びで、しかし何事も待つことの出来ない性分にしては珍しく「植える場所を確保したいので、日を改めて持って来て欲しい」と言われたのだ。
鉢植えのままでも綺麗に花を咲かせる事は容易なのだが、恐らく頭巾は地植えにして大きく育てたいと思ったのだろうと解釈したのだが・・・次の日、所内メールで頭巾が私の名前を出して変な連絡を発信していた事が判ったのだ。
頭巾は奴の自宅でサンゴシトウを植えようとしたのではなく、研究施設敷地内に植えたいと思っていたのだが、いつも勝手に突っ走って既成事実化させてしまう頭巾にしては珍しく、施設内管理を兼ねる技官さんに「古黍さんがサンゴシトウを実験所内に植えたがっている」と言う内容でメールを書いていたのだ。
頭巾は勝手に他人の名前を使うと言う話は以前から聞いていたが、私に対しては(認知している物の範囲では)此の時が初めてだった。
返信には「サンゴシトウは外来種であるので、研究施設には不適当云々」と言った様な事が書かれてあったのだが、頭巾は残念そうな顔をして私に、技官さんの事を「この人はこんな言い方をする人なんですよ。古黍さんも残念に思うでしょうが仕方ないですね」と言ったのだ。
いや、施設内に植えたがったのはアンタでしょ! 私は何も残念になんか思っていないよ! と唖然としたが、自分の希望を、さも古黍がサンゴシトウを持ち込もうとしていると言う様な話に作り変えて、更に私が残念がってるかのように話す頭巾に文句の一つも言いたくなるわけだ。
(余談だが後年サンゴシトウについては新研究所準備中にも頭巾が鉢植えを欲しがったので、私は二鉢を進呈したのだが、〝後半に記述するオマエはクビだ発言〟の後、ろくに水も遣らずに枯らして仕舞ったそうだ)
他人の名前を使うと言う件では、2)ネットへの書き込みを私の名前でしていた事もあった。
この時、頭巾に「古黍さんの名前で為になる事を書いておいてあげましたよ」と言われたのだが、私は深く受け止めず「そんな事しちゃ駄目ですよ」とだけ言ったのだが、帰宅後あの人の事だから、もしやと思って頭巾の言っていたBBSを調べてみると、其の中に私の名前でいったい此れは何なんだ!?と言う様な滑稽極まりない書き込みを発見したのだ。
当該BBSは削除ボタンの無いタイプだったので、頭巾に苦情を言った処で削除など出来ないだろうと思い、私はそのBBSの管理人にコンタクトして頼んだ処、その日の内に削除して貰えたのだったが、次の日が大変だった・・・頭巾は機嫌よくBBSを開いたのだが、私の名前で書いた物が見当たらないので「あれぇ~、どうしたのかなぁ~。あれぇ~、どうしたのかなぁ~」と念仏を唱え始めたのだ。
頭巾は「何故書き込みが見当たらないんだろうと」訊いてきたので、私は昨晩削除要請を出して消して貰ったのだと告げると、頭巾は突然大声を出して「どうしてそんな勝手な事するんだ! 折角良い事を書いたのに駄目じゃないかっ!」と怒りだしたのだ。
勝手なのは頭巾の方だし、書かれてあった事は些末事で、しかも滑稽極まりない頭巾文法の落書きじゃないかと思ったが、頭に血が昇っている時の頭巾に正面から押さえ込む様な事を言っても通用しないのは、もうこの頃知っていたので「為になる事なら御自分の名前で書いた方が良いですよ」と受け流すと、頭巾は「古黍さんの為を思って書いたのに」と膨れっ面をした・・・以前から「誰某の為を思ってした」と言う台詞は時折聞かされいていたが、為になる処か逆効果だし、この後も私や私以外の人の〝為を思って〟余計な事をする例が次々に起るのだ。
この章で此処まで記したものだけでも厄介なものだったのだが、後年 ( 既に頭巾と袂を分かった後 ) こんな事をペラペラ喋ったんじゃ公の機関が出て来て冗談じゃ無い事態になる可能性があるぞと言う話が明るみに出た。
現在は無害化しているので、詳しくは書けないものの暴露出来るが、頭巾が喋った頃はまだ時効に掛ってはいなかったのだ・・・頭巾は事務手続きが煩雑になると言う理由で私に名義貸しをして欲しいと依頼して来たのだ。
きっちりと問題が起こらない様にするのならと言う条件で私は了承し、また頭巾自身も私に対して何度となく「誰かに喋ったら大変な事になるから絶体秘密にしろ」などと言っていたので、頭巾は我が身可愛さから流石に口を滑らさないだろうと思ったのだ。
しかし後になって、その期待が見事に裏切られていた事を知るに及んで、私は本当にぞっとした。
頭巾は自分が応分の負担をするのが嫌で、身近に居る私の名前を使って逃げていたのだが、万一発覚しても頭巾自身の名前は何所にも出て来ないし、その時は古黍が代りに対価を払う事になると言うトリックを使っていたのだ・・・小児のような頭脳レベルなのに、こう言う時は非常に狡猾なのだ。
迂闊にも私は頭巾の「此れだけは絶体秘密にする」と言う言葉を信じてしまっていたのだ。
頭巾が喋ったのだから私も ( 流石に話の内容は多少作り変えて不完全な内容でしか記せないが ) 遠慮する必要などないのだ。
1)成り済ましてネットへの書き込みをされたのは今回だけではなかった.。
私の苦情に対して頭巾が対応する事は一度も無かったので、その都度管理人にコンタクトをとったが、幸
い1件を除いては全て削除された・・・しかし、私の知らない所で名前を使われている可能性もあるだろ
うし、インターネットの検索結果は全知全能では無いので、まだまだ変な物が埋もれているかも知れな
い。